ネイティブスピーカーの英語を聞いていると、走っている電車を必死に追いかけているような気分になりませんか?
その気持ち、よくわかります。私もかつてそうでした。まるで駅を猛スピードで通過する新幹線のように、ネイティブの英語は速すぎてついていけないと感じることがありますよね。
今日は、なぜネイティブの速い英語が聞き取れないのか、そして語彙を増やさなくてもリスニング力を向上させる方法についてお伝えします。
1.英語知識の不足
英単語やフレーズ、イディオム、表現の意味を知らない場合、または基本的な英文法、つまり英語の文章のルールを理解していない場合、たとえ聞いたとしてもそれを認識することはできません。
あなたの耳がその音をキャッチできないので、高速列車が駅を通り過ぎるように、脳を通り抜けてしまうのです。
例えば、この単語 “weird”。
この単語は、ネイティブの会話の中でよく使われますが、多くの初級・中級レベルの英語学習者は、そもそもこの単語自体を聞いたことがないかもしれません。
私も、北米に来るまでこの単語を聞いたことがありませんでした。
もしあなたが、かつての私のようにこの単語を一度も聞いたことがなかったとしたら、誰かが会話の中でこの単語を使ったときに理解できるでしょうか?
もちろん、できませんよね。
なぜなら、一度も聞いたことがない単語は、耳に入っても認識できないからです。
また、たとえ文字として見たとしても、その意味を知らなければ理解できませんよね?
つまり、ネイティブ英語が理解できない理由の1つは、英語自体の知識が不足していることです。
単語、フレーズ、イディオム、表現を知らない、または文の構造や文法を理解していないと、話されている英語を認識することができません。
もしあなたがネイティブ英語を聞き取れない理由がこれだとしたら、まずは基本的な語彙やフレーズ、文法を復習する必要があります。
特に、簡単な単語で構成された頻出フレーズやイディオムを学ぶことが重要です。
2.英語のスピードについていけない
私たちが英語を学ぶために使うリスニング教材の音声は、実際のネイティブスピーカーの会話スピードよりも ずっと遅い ことをご存じですか?
そのため、IELTSやTOEICなどのテストで高得点を取ったとしても、実際の英会話を聞き取るのが難しいと感じることがあります。
つまり、ネイティブの英語が聞き取れない 2つ目の理由は、「リアルな英語のスピードに慣れていない」こと なのです。
おすすめの対策としては、 リアルな英会話の動画 をリスニング教材として使って耳をトレーニングすることです。
オススメとしては、YouTubeの英語ネイティブの動画 を活用することです。
YouTube動画を使ってリスニングスキルを鍛える方法を下の動画(全編英語)で紹介していますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください!
3.英語の発音と音の変化を知らない
例えば、先ほど紹介した単語 “weird” を例に挙げましょう。
この単語の意味は知っているとします。しかし、発音を知らなかったらどうなるでしょう?
この場合、聞いたとしても認識できませんよね?
(ちなみに、「weird」は「変な、不思議な」という意味です。)
つまり、「文字を見れば理解できるのに、音声ではわからない」場合は、 問題は「音」にある ということです。
そして、単なる発音の問題よりもややこしいのが 「Connected Speech(音のつながり)」と呼ばれる「音の変化」 です。
実は、ネイティブスピーカーは、学校で習った通りに発音していません!
つまり、 話し言葉の英語では、音が変化する のです。
例えば、良く知られている音の変化にこんなのがあります:
✅ Yes ➡ ya, yup, yah, yass, yaaas
✅ Going to ➡ gonna(例: I’m gonna go home.)
✅ Want to ➡ wanna(例: I wanna visit Europe.)
✅ Got to ➡ gotta(例: I gotta go.)
✅ Trying to ➡ tryna(例: I’m tryna work.)
✅ Should have ➡ shouldav(例: I shouldav called him.)
では、Connected Speechについてもっと詳しく見ていきましょう。
Connected Speechの中でもよく知られているのが「リンキング(Linking)」です。
リンキングとは、音節の最後の音が次の音節の最初の音とつながる音の変化です。
例えば、
C-V(子音+母音)のリンキング
- Some of ➡ su_ muv
- Su_muv my friends love to cook.
(私の友達は料理が好きです。)
- Su_muv my friends love to cook.
- Check in ➡ che_kin
- I’d like to che_kin, please.
(チェックインをお願いします。)
- I’d like to che_kin, please.
- Fall apart ➡ fa_lapart
- This will fa_lapart if you sit on it.
(これに座ると壊れます。)
- This will fa_lapart if you sit on it.
C-C(子音+子音)のリンキング
- Sit down ➡ si-_down
- Si-_down, please.
(座ってください。)
- Si-_down, please.
- Look forward to ➡ loo_forwar-_to(ta)
- I loo_forwar_ ta seeing you.
(あなたに会うのを楽しみにしています。)
- I loo_forwar_ ta seeing you.
- Wait for ➡ way – for (fer)
- Do you wait for her? ➡ Do you way-_fer her?
(彼女を待っていますか?)
- Do you wait for her? ➡ Do you way-_fer her?
V-V(母音+母音)のリンキング - 間に音を入れる
- See it ➡ see<y>it
- Did you see it? ➡ Diju seeyit?(それを見ましたか?)
- He asked ➡ He<y>asked
- Do it ➡ Do<w> it
英語の音の変化によって、ネイティブの話し方はよりスムーズで速くなります。
これ以外にも、音の変化が色々あります。
脱落(Deletion):通常、音節の最後の子音が脱落する
- 例:「sit down」 ➡ si_down(”t” の音が落ちる)
H脱落(H-dropping):「h」の音が脱落
- 例:「was he」 ➡ was_e (wuzzy)
フラッピング(Flapping):T-Flap, Tap-Tともいう。「t」の音が「d」のように聞こえる
- 例:「water」 ➡ wa-der(”t” が “d” のように発音される)
同化(Assimilation):隣の音に影響を受け、同じ音に変化する
- 例:「in the」 ➡ in_ne(”th” の音が “n” に変わる)
ブレンディング(Blending):2つの音が融合して新しい音に変化する
- 例:「Where’s your」 ➡ wear_zhur
例:「What do you think?」 ➡ wha_jyoo_think? - 例:「What did you think?」 ➡ wha_ja_think?
リダクション(Reduction):ストレスのない音が弱化する
- 例:「and」 ➡ n Soup and Salad
- 例:「of」 ➡ [ə] a lot of
- 例:「to」 ➡ ta Look forward to
- 例:「you」 ➡ ya See ya
これらの音の変化を知らないと、知っているはずの文章も聞き取れないことがあります。
ということで、ネイティブ英語を聞き取れない3つ目の理由は、「音の変化を処理できないこと」 なのです。
4.まとめ
これだけのルールを覚えるのは大変! って思いますよね。
でも大丈夫!
下の動画(全編英語)で紹介している LIPメソッド を使えば、こうした音の変化を意識せずに、自然に身につけることができます。
私も実は数年前までこんな音の変化があるなんて知りませんでした。でも、LIPメソッドで練習してきたおかげで自然にネイティブらしい発音ができるようになっていました。
ですので、このメソッドを使って練習すれば、ネイティブの英語が聞き取れるようになるだけでなく、自分の発音もネイティブのように変わっていきます!
この記事では、 ネイティブの速い英語が聞き取れない3つの大きな理由 を見てきました。
すぐに理解できるようになるわけではありませんが、 練習を重ねることで、英語のリズムに慣れ、パターンを認識し、ネイティブの速い英語が聞き取れるようになり、最終的に自信を持ってネイティブらしい発音もできるようになります!
だからこそ、諦めずに練習を続けてくださいね!
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