社会人が流暢に英語が話せるようになるにはどれくらいの時間が必要か、聞いたことありますか?
実は、約3000時間だと言われています。
3000時間!! かなり時間がかかりそうなのはなんとなく分かるけど、イメージがわかない…
と思っているのは私だけではないはず!
ということで、分かりやすいように換算してみました。
一日3時間勉強するとして1000日、つまり3年8カ月ほどの時間が必要です。
一日2時間ですと、約4年かかります。
3000時間というのは、あくまでも「流暢に」話せるようになるまで習得するには、ということですが、基本的な英会話が出来るようになるまでの時間は6か月から1年と言われています。
いづれにしても、英語習得は、コツコツと続けることが必要ですね。
ですが、残念ながら、「継続できなかった」ことが理由で挫折してしまう人も多いのが現実です。
では、英語学習が続く秘訣とは?
いろいろ挙げられますが、「楽しく続ける」ことは大きな鍵を握っています。
特に40代からの英語学び直しは、学生のころのように必須ではないため、楽しく続けることはさらに大きな鍵となるでしょう。
この記事では、英語学習を楽しく続ける6つの秘訣についてお伝えします。
1.目標設定
まずは、目標設定。目標を設定しているかいないかは、成功するか失敗するかの鍵となります。
目標を設定することで、何を目指しているのか、進む方向、やるべきことが明確になります。
目標設定で気を付けたいことは、自分の意思で実現可能な目標、言い換えれば、自分の努力が目に見える目標、進度を「測定」することができる目標を立てることです。
例えば、
- 一日10分英語音読を週3回する
- 毎日10分間のリスニング
- 毎日5つのセンテンスをディクテーションし、音読する
- 毎日5つのセンテンスを作って音読する
- 毎日5つの新しい単語を使って自分が使える英文を作る
- 英語圏に住んでいる方なら、買い物先やお出かけ先で一日一回自分から英語で話しかける
このように、結果につながる目標の特徴は、
- 自分がやると決めたらできる
- 頻度、時間、内容がはっきりと示されている
- 主導権が自分にある
- 努力することによって達成可能
- 結果が目に見える(数字化されている)
です。
ちなみに、多くの人がやりがちな「挫折に繋がりやすい目標設定」とならないように気を付けましょう。
- (来年までに)英語ペラペラになる
- 一年で英語の発音をネイティブレベルまでにあげる
- 日常英会話が出来るようになりたい
なぜこのような目標設定が挫折に繋がりやすいかと言いますと、
「一年で英語ペラペラになること」も「発音がネイティブレベルになること」も「日常英会話ができること」も自分の意思で実現可能なものではありません。
つまり、120%努力を尽くしても、その目標に達成できるかどうか、100%確信できないものですよね。
そして、どちらも進度を「測定」することができません。
例えば、どこまで話せたらペラペラ?ネイティブレベルって?基準は?日常英会話って具体的にどんなトピック?
人によって基準が変わってきますし、達成できたかどうか明確ではないですよね。
ですので、このような目標設定をすると、目標達成できなかったときに挫折に繋がりやすくなります。
「努力してもかなわない」と失望してしまうのは、目標設定が間違っているからということもあります。
微妙な違いですが、分かっていただけたでしょうか?
後者で挙げた例は「なりたい自分」(例ー英語ペラペラの自分)、つまり、あなたの理想像なのです。
「なりたい自分」に近づくために自分が日々できる、具体的で実現可能な努力を目標とします。
目標設定で気を付けたいもう一つのことは、小さなステップから始めることです。
意気込みがあるのは良いことですが、無理しすぎると「当たって砕ける」可能性も高くなりますので、自分が現時点でできる「小さなステップをコツコツと続ける」方が挫折せず、結果に繋がります。
2.興味のあるコンテンツの活用
大人が英語を学ぶ目的は、「日常生活で英語を趣味として楽しむため」という理由が圧倒的に多いです。
好きな映画やドラマを吹き替えなしで観たり、海外旅行をもっと満喫したい、好きなアーティストの英語を原文のまま理解したい、海外の友達とコミュニケーションを取りたいという思いなど、自分の生活をより豊かにするために英語を身に付けたいと頑張っている方が多いようです。
ならば、学生が使うような参考書などではなく、自分の興味のあるトピック、日本語で楽しいと思えるコンテンツを活用することをおススメします。
ドラマ、音楽、本、など英語を使ったエンターテイメントを優先的に使うと楽しみながら学習できます。
自分の興味のあるものですと、そのトピックにおいて必要な知識はすでにある程度ありますので、英語がスーッと頭に入りやすくなります。
それだけではなく、私たちが普段の会話で話すメインな内容は何か考えてみてください。
あなたが良く話す話題はなんですか?
料理?スポーツ?趣味?家族?仕事?
自分に関わりのあること、または興味のあるものですよね。
ですので、自分の興味のあるコンテンツを英語で学ぶと、学んだことを実際に使える機会も増えます。
「学んだことを使う場がない」という英語学習者が抱える悩みの一つを避けることができますね。
さらに、楽しいコンテンツですと、モチベーションも維持されます。
一言で言うと、楽しいと続けていけますよね。
3.毎日の習慣化
毎日の習慣化は、楽しく英語学習を続ける強力な武器です。
歯磨きやシャワーのように、毎日の習慣に組み込むことで、考えなくても自然に英語学習の時間を取れるようになれれば完璧ですね。
そうは言っても、習慣化できるまで以前は21日、今は60日と言われている上、そもそもどのように始めて、何をすればいいの?
と思っている方のために習慣づけしやすい3つのコツをシェアします。
- 行動を起こしやすくなるように工夫する
「これをやると、次のステップが簡単にできる」というワンステップを取り入れる。
例えば、
- 寝る前に英語日記をつけることを習慣化したかったら、ベッドサイドに日記帳とペンを置いておく
- 好きなYouTubeチャンネルに登録し、更新の通知が届くようにしておく
- 学習したい時間にアラームを設定し、リマインドをかける
- ソーシャルメディアのチャットを使って、毎日10個のメッセージのやり取りをする友達を作る
など、自分の性格、スケジュール、生活リズム、習慣に合った方法で英語に触れる機会をいろんな形で習慣化していくことができます。
- Messy Middleを乗り越える
「Messy Middle」というフレーズがありますが、聞いたことはありますか?
「messy」は、「乱れている、ぐちゃぐちゃになっている」、「middle」は、「真ん中」という意味です。
直訳ですと、「乱れる真ん中・ぐちゃぐちゃの真ん中」ですが、イメージわいてきますか?
何か新しいことを習慣づけする過程で、最初はモチベーションもあり、スムーズに進んでいくものの、途中で問題に遭遇したり、困難になったり、だんだん辛く感じるようになり、やめたい!と挫折しそうになる時期のことを英語では「messy middle」と言います。
このmessy middleを乗り越えられるかどうかで結果が違ってきます。
「継続できなくて挫折…」してしまうのは、このmessy middleでギブアップしてしまうからですね。
messy middleを乗り越えるには、
- messy middleは必ずやってくる、という心構えを持つ
- messy middleがやってきたら、どう対処するか、予め計画を立てておく
具体例をあげてみますと、
- 元気が出る本、番組、音楽などで気持ちをリセット
- 趣味や楽しいと思えることをする
- ハイキング、散歩、エクササイズなどで体をリフレッシュ
- 友達や信頼できる人に相談する
一旦ブレークを入れて、リフレッシュ、リセットするなど、いろんな方法を取り入れ、英語に触れることを辞めずにmessy middleを乗り越えましょう!
- 5秒ルールをマスターする
「人間の脳は、5秒経つと、したくないことに対してしないことを正当化する理由を考える」と、メル・ロビンズさんは主張しています。
例えば、エクササイズの時間がやってきて、「今日は体力がない、寝不足だ。したくないー」と思っていると、「一日休んだくらい、大丈夫。」または「体調が悪いのに無理すると逆効果」というふうに辞めるように自分を説得してしまうことありませんか?
こうならないためにも、時間になったら、脳が考え始める前に着替えたり、準備をし始めるなど、5秒以内に実際に行動を起こすと、やらないという誘惑に勝てる、という方法です。
私自身の過去の失敗を振り替えてみても、確かに自分で自分を説得して、結局挫折してしまうパターンが多いということに気づきました。
逆に成功できたケースは、考えずに時間がきたら行動する!というパターンの結果だったというのも事実です。
4.バラエティ豊かな学習方法
英語学習がマンネリ化してしまい、つまらないと思うことありませんか?
そうならないためにも、いろんな方法を取り入れることをおススメします。
例として、
英語4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)をバランスよくトレーニングするために
- フォニックス(英語音声学)
- 音読
- 多読
- 英語日記
- 動画を使った学習法(映画、YouTube など)
- 英語アプリ
- オンライン英会話
- 会話でよく使われる英文法・フレーズ
を同時に取り入れることで飽きずに学習を続けやすくなります。
5.モチベーションの維持
モチベーションの維持は、多くの英語学習者が抱える難題です。
ここでは、モチベーションの維持に役立つ6つのポイントをあげてみますね。
- 自分の進歩を記録する
私たちは、「自分の理想像」との距離がまだ程遠いことに目を向けがちです。そのため、スタート時と比べてどれだけ進歩したか、ということを忘れがちです。自分の進歩を記録することで、まだできないことではなく、できるようになったことに目を向けることができますので、続けて頑張れる力が出てきます。
- ゴール達成の報酬を設定する
日本人は自分に厳しくなりがちですが、ここまで達成したらご褒美にこれをゲット、こんなお祝いをする!と決めておくと、大人の私たちでもモチベーションが上がり、もっと頑張れます!
- 学習仲間のいるコミュニティーに参加する
挫けそうになった時、一人ですと辛くて諦めそうになりますが、一緒に頑張っている仲間がいると、自分も頑張ろうと思えます。一人じゃないという気持ちが想像以上のパワーを与えてくれます。
- メンターを付ける
自分の行く道をすでに歩んだ人、または少し先を行く人が目標達成できるように導いてくれる心強いサポートは、成功につながる秘訣です。
- アカウンタビリティ
アカウンタビリティは、「連帯責任」という意味ですが、こまめに進捗をチェックし合える人がいることで、継続できる確率が上がることが確認されています。怠惰になりがちなときに喝を入れてくれる人がいるのも時には必要ですよね。その上、進捗報告をする時に「何もしなかった」と恥ずかしい思いをしないためにも「やろう」と思うようになるからでしょう。(笑)
- 励まし合いや情報交換
最新の学習法、効果的な学習法など、分かち合える仲間がいると、英語習得にとても役立ちます。お互いに進歩があれば、最高のモチベーションとなります。
6.失敗を恐れない
6つ目は、誰もが知っていることわざ「失敗は成功のもと」。
日本語にもちゃんとあるじゃないですか!
とは言うものの、失敗すると恥ずかしいので、できれば失敗したくないという気持ち、理解できますよね。
特に歳を重ねれば重ねるほど、臆病になる、ということもあります。
人にどう見られるかということが必要以上に気になるからでしょうか?(笑)
私もそうでした。
間違っても堂々と喋ろうと思えるようになったのは、世界各国からの移民の方が拙い英語でも堂々と話しているのを目にしてからです。
英語圏に来てまもない人、英語に初めて触れる人でも、自分の知っている英語で一生懸命コミュニケーションを取っている姿に感動しました。
今でも私の脳裏に焼き付いているくらい素敵でした。
英語が母国語ではない私たちにとって、間違えることは当たり前なのです!
しかも!間違えると得をするということ、知っていましたか?
間違えると、周りがさりげなく訂正してくれるんですよね。
「OOのこと?」「そうそう、それそれ。」
と言う感じで言いたかったけど言えなかった英語が学べます。
そうやって覚えた英語は自分で学ぶ英語よりも記憶に残りやすくなるんです。
間違いを恐れずにできる英語でどんどんアウトプットしていくと、驚くほどの収穫が得られます。
まとめ
いかがでしたか?
少し情報量が多かったかもしれませんが、一度に全部ではなく、一つずつ消化してみてくださいね。
実践できることは是非取り入れてみてください。
短時間で完璧になることを求めず、着実にスキルを向上させていくことが重要です。
「ゴールは目的地ではなく過程である」(The goal is a journey, not a destination.)という言葉を最近目にしました。
目指すのは、「ゴールに向かう過程で得られる成長」、「達成できたことよりも達成できるまでに成長できた自分」。
素敵な言葉だと思いませんか?
焦らず、英語習得の過程を楽しみ、少しずつでも続けていくことでバージョンアップした自分に出会うことができます!
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